ドバイに渡航してICチップがタッチ決済に置き換えられたと書きました(先ほどコメントにATMの画像も加えました)。
https://dig.crefan.jp/dig-review/review_comment?revid=1223これを入れてあと2つか3つレビューを書きたいと思います。
最近日本で
・脱iD(三井住友カードがiD一体型からタッチ決済一体型になってきている)
・脱QUICPay(JCBもJCB Contactless搭載型が増えてきている)
(以前にnanacoとQUICPayが一体型になったカードをiPhoneに取り込んだら、QUICPayがなくなるレビューもしました)
https://dig.crefan.jp/dig-review/review_comment?revid=1209という現象が起きています。
ドバイに渡航して、これがなぜなのか、なんとなくわかってきました。
両者は見た目はFelicaとNFCの違いにあります。
ただそれ以上に、このiDとQUICPayは問題があり、終焉傾向にあると考えています。
正確には、Apple PayとGoogle Pay(両方時計も含む)は残ると思いますが、それ以外のカード一体型・分離型は消滅傾向だと思います。
この最大の理由は、iDとQUICPayは儲からないからです。
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そもそも論として、iDとQUICPayはSuicaに対抗してできたと思います。
しかし最近は
・コロナ
・人口減少
・コード決済の普及(特にドコモはd払いを推奨して、あまりiDに力を入れていません)
などで収益は減少していたと考えられます。
またFelicaを利用していて、海外展開もできそうにありません。
ですので、諦めムードが広がっていたように見えますが、海外のタッチ決済はこれにとどめをさしていると思います。
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冒頭のレビューでも一部触れましたが、
VISAなどのタッチ決済はICチップの後継的な役割です。
したがって、ホテルでも普通に使えて、一定の額を超えると暗証番号を要求されます。
Apple Payのページを見ても、暗証番号を要求されることがあると普通に書かれていて、ほとんどNFCのタッチ決済のことだと思われます。
https://support.apple.com/ja-jp/HT207435アラブ首長国連邦では、300AED(3280円相当)を越すと書いてありますが、
私の感覚では100USドルを越すと暗証番号が出てくる可能性が高いです。
現地では1泊5000円のホテルが万博期間では1.5から3万円程度で売られていました。
ホテルを何回か変えて、現地決済の場合高い確率で暗証番号が要求されました。
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そしてVISAなどのタッチ決済はあくまでもICチップの代替ですので、
・トヨタで修理をして30万円かかった
・星野やリゾートやリッツカールトンで、15万円の宿泊費を払う
といった場面でも対応をしているわけで、さすがに暗証番号が要求されないとおかしいと思います。
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一方でiDやQUICPayは、あまりこういった場面を想定しておらず、収益性の点では見劣りすると思われます。
QuicPayの場合は、セゾンカードが公式サイトで
「QUICPayは、専用カードやスマートフォンをレジの読み取り端末にかざすだけで、暗証番号入力やサインを求められることなく瞬時に支払いが完了する電子マネーです。」
https://www.saisoncard.co.jp/credictionary/card/article228.htmlと高らかに謳っています。
iDについては暗証番号が設定できるようですが、クレファンの過去のレビューから見ても、1万円以下の決済が多く、暗証番号を使う場面の投稿があまり見られません。
https://crefan.jp/search?wo=iD+%88%C3%8F%D8%94%D4%8D%86&ty=6タッチ決済を搭載したカードが普及するのは、こういった背景があると思われます。顧客にホテルやディーラーなどで高額決済してもらえますので、メリット大です。
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まとめると、iDやQUICPayはビジネス的にはアウトだといえると思います。
・Suicaに対抗した少額決済が前提である
・Felicaを使っている(ので、海外展開が困難)
・QUICPayはJCBなのでまだしも、iDは携帯電話会社のドコモがやっているので、これも海外展開が困難
・日本人口が減少している上に低所得
・コロナで減収
・コード決済などに押され始めた
・iD開発者のドコモも、d払いを押していてやる気なさそう
・暗証番号もあまり普及していない(カード型は改修が困難)
など、収益が減る傾向にあるのに、海外で拡充できない設計になっており、八方塞がりです。
ですので、この2つの決済方法に力を入れる理由がもはやありません。
またコンタクトレスが普及すれば、QUICPayがなくなってもJCBは困らないとも思います。
なお、Apple PayとGoogle Pay(両方時計も含む)は残ると思いますと書いたのは、遠隔で仕様が改修できるからです。暗証番号は一部に存在するようです。
https://news.mynavi.jp/article/20170808-iphone_why/———
そして日本のNFCタッチ決済ですが、おそらく訪日外国人観光客の受け入れが再開された時に広く普及すると思います。
コロナを警戒してか、ドバイにはインドシナ半島より東側の人は、労働者(フィリピン、ネパール)程度でした。中国人はゼロコロナでほぼゼロでした。
インド、パキスタン、バングラデシュなどの労働者が多く、アフリカ系(エジプト、ウガンダ、エチオピアなど)の方もいましたです。
また現地は日本製品に過剰な程度に依存していて、
・8割程度が日本車(トヨタ、三菱が特に多い。)
・タクシーはトヨタかレクサスのみ
・エレベーターは三菱電機が圧倒
・メトロやモノレールは日本製(三菱や日立が落札、車両も大半が日本製)
・TOTOの便器(ウォシュレットはなし)
・ドバイモールに紀伊國屋書店(ドバイ最大書店)、ソニーストア、無印、カシオ
・ダイソーは20店舗以上
ということで、日本製品がないと生きていけないレベルになっています。
そして皆異様なくらい日本に関心がありました。
日本パビリオンは人気が出過ぎて予約をしないと入れませんでしたが、プレミアムチケットでほとんど皆入れていません。
現地のヨーロッパのパビリオンの人も日本のことを話題にしていました。
かなり訪日需要は非常に強いようです。
中国人ゼロでこの状態ですので、日本で訪日観光が再開された際は、コロナ前よりはるかに大きな規模で帰ってきて、観光大国への道を進む可能性がかなり高いです。
まして次の万博が大阪ですので、どこかで訪日観光を再開することになります。
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この際に
「日本はなぜVISAのタッチ決済になぜ対応していないのか」
という話が必ず出てきて、機械がどんどん対応していくことになると思います。
そして
「iDとQUICPayはなんだったんだろう」
という話になることをシナリオとして組んでいます。
最初の動機がSuicaの対抗と、消極的な動機でしたので、それが大きいのではないでしょうか。
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Suicaなど交通系、nanaco、WAONなどプリペイドは、これからも残っていくと思います。
一方でこのポストペイはかなり難しいのかなという印象で、NFCに徐々に取り込まれていくと思います。
場合によってはQUICPayやiDについてもNFCでという話になるかもしれませんが。